ロマンロランの「ジャン・クリストフ」より。
全部ハイライトしたいぐらいいいこと言ってます。
“「信じていないとしたら、生きていられないはずだ。だれでも信じてるものだ。祈るがいいよ。」
「何を祈るんです?」
真赤な冷たい地平線に出かかってる太陽を、ゴットフリートは彼にさし示した。
「日の出にたいして、信心深くなければいけない。
一年後のことを、十年後のことを、考えてはいけない。
今日のことを考えるんだよ。
理屈を捨ててしまうがいい。
理屈はみんな、いいかね、たとい道徳の理屈でも、よくないものだ、馬鹿げたものだ、害になるものだ。
生活に無理をしてはいけない。
今日に生きるのだ。
その日その日にたいして信心深くしてるのだ。
その日その日を愛し、尊敬し、
ことにそれをしぼませず、
花を咲かすのを邪魔しないことだ。
今日のようにどんよりした陰気な一日でも、それを愛するのだ。
気をもんではいけない。
ごらんよ、今は冬だ。
何もかも眠っている。
何もかも眠っている。
がよい土地は、また眼を覚ますだろう。
よい土地でありさえすればいい、
よい土地のように辛抱強くありさえすればいい。
信心深くしてるんだよ。待つんだよ。
お前が善良なら、万事がうまくいくだろう。
もしお前が善良でないなら、弱いなら、成功していないなら、
それでも、やはりそのままで満足していなければいけない。
もちろんそれ以上できないからだ。
それに、なぜそれ以上を望むんだい?
なぜできもしないことをあくせくするんだい?
できることをしなければいけない……我が為し得る程度を。」 ”
ALS ICH KANN (I do as I can)
みなさま良い一日を。
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