同僚からDVDを借りて、素敵な映画を見た。
インド映画「きっと、うまくいく」(原題:3
idiots)
笑って泣けてぐっとくるとっても後味の良い映画。
主題は、「ありのままの自分を生きる勇気」と「本当の賢さ、知」かな。
主題は、「ありのままの自分を生きる勇気」と「本当の賢さ、知」かな。
インド屈指の工科大学を舞台に、寮で同部屋の3人の青春ドラマと、その10年後がミステリー風に同時並行で展開する。この大学はインド国内の優秀な頭脳が集まり、世界に人材を輩出する一流校。インド工科大学がモデルかしら。
二人の主人公はそれぞれに田舎の家族の期待を一身に背負っていて、将来に対する不安を抱えている。そしてこの二人の親友となる、素性の謎めいた型破りな天才青年。
彼は詰め込み型の勉強、成功の為の教育を強く批判していて、「勉強は楽しんでするもの、成功は後からついてくるもので追うものではない」主義の持ち主。
彼に触発されて、二人の主人公はそれぞれの怖れに向き合い「本当の自分を、今を生きる」勇気を学んでいく。
この青年と大学教授陣のやり合いを通して、インドの競争社会と点数主義の教育制度を強烈に風刺。競争社会の重圧による自殺率の高さも取り上げている。
ちなみに、インド人の同僚が来日したときに、電車への飛び込み自殺についての話になったことがある。私は何となく飛び込み自殺って東京ならではのものかと思っていたのだけど、インドの都市部でも多いらしい。その手法はさておき、インドの自殺率が高い、ということ自体に私は驚いた。
だって私が仕事で関わるインド人の殆どはとても楽観的で適当で信仰が厚く、(日本人に比べると)良くも悪くも他力で他責。自殺とは程遠いイメージなんだもの。
実際は、高学歴なエリート街道にのった人の自殺率が高いのだそう。
この映画によると、過度な期待と重圧で潰れて自殺する学生の数が病気で死ぬ人より多いらしい。
日本も他人事ではないよね。これだけ物質的に豊かでありながら、全体の幸福度が低い日本人。日本の場合は既に競争社会、値札や肩書が絶対視されるような時代は過ぎた気がするけど、逆に経済成長という分かりやすい指針がなくなったからこそ、行き場を失った閉塞感があるのではないかしら。
「精神性が大切=科学技術の発展は悪」というのも違う。結局それも二元論的な偏見だと思う。似たようなのだと西洋医学の否定とか。(ヨガびとに多い気がする)
科学技術そのものやその発展が悪なのではない。欲に捕われて「知の探究」「ひとと全ての幸せのために」etc.本来の純粋な動機を見失った人々と、その行いがある。ただそれだけ。
純粋な動機に基づいた発展はとっても自然で素敵なものだし、心の豊かさとちゃんと両立するのだ。
純粋な動機に基づいた発展はとっても自然で素敵なものだし、心の豊かさとちゃんと両立するのだ。
この映画の最後に登場する「美しいラダックに住む天才科学者」なんて、素敵なモチーフ!
そういうイロイロを、痛快に爽快にハートウォーミングに描いたあっという間の3時間。
とっても!おすすめな映画です。
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